Column 不動産お役立ち情報

2017.11.25

繁忙期に入居者を決められないと…どんなリスクがある?

不動産お役立ち情報

賃貸関連の不動産業界にとって、2~3月は繁忙期。
このタイミングでしっかりと入居者を確保しないと、その後空室に悩まされ続ける危険性があります。
そこで今回は、繁忙期に入居者を集められないリスクや、効果的な対策などについてお伝えします。

 

(1)賃貸需要が高まる時期は好条件で募集可能

進学や就職、転勤などのライフステージ変化によって、お部屋を探す人が増える時期。
多くの方は、自分に合った条件の物件を探しています。
さらに、「今決めておかないと、すぐに埋まってしまうかも……」という心配も相まって、判断も早め。
オーナーさんにとっての好条件を維持したまま、募集がかけられます。

一方、繁忙期を逃してしまった場合には、前述のような心理的切迫感はなく、
比較的ゆっくりとお部屋探しをはじめる人が増えてきます。
値段交渉などのシーンも増えてくるでしょう。
オーナーさんとしては、「空室にしておくよりはいいか……」と考えてしまい、交渉に応じてしまう可能性もあります。
本来の計画通りに家賃収入を得たいのであれば、やはり需要の多い時期にしっかりと入居者を確保しておかなくてはなりません。

 

(2)入居者の目に留まる賃料や条件の工夫

引っ越しシーズンには需要も高まりますが、その分供給も増えるのが自然です。
大学を卒業した学生が別の場所へ引っ越したり、子供が産まれた夫婦がファミリー向けの賃貸へと移り住んだりなど。
空き室が増えるのもこの時期の特徴と言えるでしょう。
これはオーナーさんにとってライバルの出現に他なりません。
そのため、自分の所有する賃貸物件を選んでためには、“目に留まる工夫”をしてみましょう。

たとえば、エリアによっては月額賃料よりも初期費用が少ない物件を探している人が多いケースもありえます。
この場合は、敷金をゼロにし、保証会社加入を条件にすると反応が良さそうです。

その他にも、ネット検索の条件に入りやすいように賃料を値下げするのもひとつの手です。
たとえば、大阪市中央区の1LDKの家賃相場が6.5万円だとします。
この場合、部屋を借りる人としては「7万円以下」で絞り込み検索をかける可能性が高いです。
すると、7.2万円の部屋は検索にヒットしません。

そこで、家賃を6.8万円にし、管理費を4千円に設定してみましょう。
こうすれば、7万円以下の条件であっても検索結果に表示されます。
ちょっとした工夫ではありますが、これだけでも問い合わせが増加する可能性が高いです。

 

(3)募集を任せる管理会社のノウハウ

管理会社にはそれぞれのノウハウやネットワークがあります。
そのため、会社によっては、外部へと物件情報を流すのが苦手だったり、
リーシング(入居付け)が弱かったりする可能性も十分に考えられます。

「以前から同じ会社を使っているから」という理由で、管理を同じ会社に任せていると、それ以上の効果は望めないかもしれません。
繁忙期の前に一度、管理会社の見直しを検討するのも空室対策のひとつと言えるでしょう。

もちろん、オーナー側としても部屋が埋まりやすいような仕掛けを講じる必要があります。
たとえば繁忙期には広告料を1カ月増やすなど検討してみてください。
管理会社側としては、その分の金額をフリーレントに回して物件の訴求力を高めたり、
自社スタッフのモチベーション向上に充てたりといった対策が取れるようになります。

本来、需要の高まりは不動産投資にとって大きなメリットです。
しかし、このタイミングで入居者の確保ができないと、その後継続的に募集をかけなくてはならず、
空室分のマイナスにも悩まされることになるでしょう。
引っ越しシーズンに突入した時には、今回ご紹介したようなテクニック・対策を活用し、
今後の不動産運用の基盤を固められるよう入居者募集をかけてください。