Column 不動産お役立ち情報

2017.11.25

マイナンバー制度は不動産投資にどんな影響がある?

不動産お役立ち情報

2016年1月のスタートから1年以上が経過した「マイナンバー制度」。
まだまだ完全に普及したとは言えない状況ではありますが、
将来的には私たちの暮らしに欠かせないものとなることが予想されます。

 

そんな中、不動産投資家にとって、マイナンバーはどのような影響があるのでしょうか。
そこで今回は、そもそもマイナンバー制度とはどんなものなのか?
影響を受ける人とは?会社に不動産投資が知られてしまうのでは?
といった疑問について、ひとつずつ解説していきます。

マイナンバー制度とは

日本で暮らす国民一人ひとりに対して12桁の個人識別番号(法人は13桁)を振り分ける制度を、マイナンバー制度と言います。
番号によって個人情報を効率的に管理し、活用していくことで、より適切かつ充実した行政サービスを目指すのが目的です。
総務省の説明では、税や年金、雇用保険といった手続きで利用される予定となっています。

ただし現状として、個人にどのくらいの所得があるのかを国が把握するための仕組みと言わざるを得ません。
2018年には銀行口座との紐付けも行われるとされており、
それが実現すれば、誰がどのくらい貯蓄をしているのかまでが国によって把握されることになります。

 

マイナンバー制度で影響を受ける人は?

所得や副収入が税務署に把握されるため、副業などの収入を申告していない人や、
実質は扶養されていないにも拘わらず、扶養家族になっている人には税金面等で大きな影響が与えられると考えられます。
また、不動産オーナーにも影響がないとは言い切れません。
とくに所得金額と相続財産といった関わりの深いものがすべて税務署に把握されることになります。

たとえば、自分の所有する不動産物件を、不動産会社を通して企業Aの社宅にしていたとします。
そこで法人から年間15万円以上の支払いを受けていたとしたら、
ご自身のマイナンバーを企業Aに対して教えなくてはならない決まりがあります。

その他にも、税務署へ提出する法定調書の中には、マイナンバーの記載が必要なものが60以上もあります。
今後は所得税や相続税など、税務関係書類にはすべてマイナンバーが記載されるようになります。

 

会社に不動産投資が知られてしまうことはある?

税務署には個人の所得等がすべて把握されてしまうマイナンバー制度。
それでは、自分が勤めている会社の場合どうでしょうか?
実は、会社が個人の所得情報をすべて知るようなことはありません。

そもそも、会社がマイナンバーを使って取得できるのは
「社会保障や税に関する手続き書作成事務に必要な範囲」と決まっています。
厚生年金や源泉徴収の手続き以外では、利用ができなくなっているのです。

万が一、その範囲を超えた場合は雨声利用となるため、会社は管理責任を取らなくてはなりません。
そこまでのリスクを冒してまで、従業員の副収入を調査しようと考えるケースはないでしょう。

 

マイナンバー以外から副収入が知られる危険性も?

しかし、マイナンバー制度とは関係なく、会社に副業が知られてしまう可能性はゼロではありません。
オーソドックスなものとしては、「住民税の金額」が挙げられます。

本来、会社は従業員へ給与を支払う際、住民税を差し引いた額を渡します。納付は会社が代行してくれているのです。
当然会社としては、所得税をもとに住民税を算出しますので、この計算が合わないと、副収入を疑われるというわけです。

不動産オーナーの方の中には、収入と強く紐付くマイナンバー制度には、得体の知れない不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ルールの中で適切な収益物件運用ができている方であれば、マイナンバー制度によって不利益を被ることはないでしょう。